コーポレート・ガバナンス|サステナビリティ|鴻池運輸-九州现金网
基本的な考え方
konoikeグループは、「『人』と『絆』を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します」という企業理念を実践していくことにより、誠実に社会的責任を果たし、広く社会から信頼を得て、継続的な企業価値向上を目指すことを重要なミッションと位置づけています。
この考え方に基づき、事業活動を通じて、すべてのステークホルダーと良好な関係を築き、迅速で効率的、健全かつ公正で透明性の高い経営を推進するため、経営の監督機能強化や情報の開示に取り組むなど、適宜必要な施策を実施しています。
コーポレート・ガバナンス強化のあゆみ
取締役会の構成
取締役会は、経営の監督と執行の分離を明確にするため、取締役5名のうち3名、監査役4名のうち2名は社外役員で構成しています。また、社外役員5名のうち4名は、東京証券取引所の定める独立役員として届け出ています。2019年6月には取締役会の任意の諮問委員会である「人事・報酬委員会」を設置し、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化を進めています。
2023年6月22日現在
人事・報酬委員会
2023年3月期の活動状況
取締役会の諮問に基づき、計11回の委員会を開催し、取締役および執行役員の指名・報酬等について審議および答申を行いました。なお、人事・報酬委員会は、独立社外取締役2名、社外取締役1名、社内取締役1名の合計4名によって構成(2023年3月31日現在)され、独立社外取締役の割合は半数にとどまりますが、独立社外取締役が委員長を務めていることもあり、人事・報酬委員会の独立性・客観性は確保できているものと判断しています。
役員報酬制度
1.基本方針
当社の役員報酬制度は、企業理念である「私たちの使命」(「人」と「絆」を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します)を実現するため、以下を基本方針としています。
- 企業理念「私たちの使命」の実現に貢献するものであること
- 「2030年ビジョン」の実現に向けた優秀な経営陣の確保・維持に資すること
- 常に期待を超えるというチャレンジ精神を促すものであること
- 業績との連動性が高い設計であること
- 中長期的な株価連動報酬を継続すること
- 従業員・株主をはじめとしたステークホルダーに対して、説明責任を果たせる透明性・公正性が担保された設計であること
2.決定方法
各取締役の報酬額については、人事・報酬委員会の答申を踏まえ取締役会により、各監査役の報酬額については、監査役間の協議により決定しています。具体的金額については、株主総会で決議いただいた報酬限度額に基づき、会社業績、他社水準および従業員給与等を考慮しています。
区分 | 報酬等の総額(百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の員数 | ||
---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 業績連動報酬等(賞与) | 非金銭報酬等(譲渡制限付株式) | |||
取締役 | 200 | 116 | 58 | 25 | 7名 |
(うち社外取締役) | (37) | (37) | (ー) | (ー) | (3名) |
監査役 | 70 | 70 | ー | ー | 4名 |
(うち社外監査役) | (22) | (22) | (ー) | (ー) | (2名) |
合計 | 270 | 186 | 58 | 25 | 11名 |
(うち社外役員) | (59) | (59) | (ー) | (ー) | (5名) |
- 上記には、2022年6月23日開催の第82回定時株主総会終結の時をもって退任した取締役2名(うち、社外取締役0名)に対する支給額を含めています。
- 取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
取締役会の実効性評価
持続的な企業価値向上のため、2016年3月期から、取締役会の構成や運営、議論の内容やサポート体制などの評価を年 1回実施し、取締役会の機能強化を図っています。
評価の方法
評価主体 | 各取締役・監査役による自己評価 |
---|---|
評価手法 | アンケート方式 |
回答方式 | 記名式 |
評価項目 | 以下の項目についての評価および自由意見
|
評価プロセス
- 全取締役・監査役によるアンケート
- 事務局による集計
- アンケート結果を踏まえた取締役会の自己評価
- 評価結果に基づく検討
2023年3月期の評価結果の概要
取締役会の構成は、全体の員数や社内・社外取締役の員数のバランスは適切と評価されています。運営面については、実効的に機能してきているものの、審議・討議の時間をさらに確保し、中長期ビジョンや中期経営計画で掲げる重点事項に関する議論を行いたいという意見がありました。なお、事業ポートフォリオ等についてさらに議論を深め今後のあり方について検討する必要があることが明らかになりました。
今後の対応
上記の結果を踏まえ、以下の事項などについて改善を検討していきます。
- 取締役会における議論の充実とそのための運営の見直し
- モニタリングの質の向上を図るため、報告事項の見直し
取締役会の主な議案
主な議案
2023年3月期は、取締役会を17回開催しました。主な議案は、以下の通りです。
- 諸規程の制定・改廃
- 組織機構の改正
- 重要な事業計画
- m&a等に関する事項
- 株主総会に関する事項(例:株主総会付議議案の決定)
- 株式に関する事項
- 開示(会社情報の公表)
- 建物・構築物、土地等の購入、賃貸借など(例:新規拠点の設立に関するもの)
- 執行役員の選任
- 財務に関する事項(例:長期借入金、短期借入金に関するもの)
- 関係会社に関する事項
- その他経営に関する重要な事項
主な討議内容
2022年5月度の取締役会にて、取締役会の実効性に関するアンケート結果について討議しました。その場において、今後の取締役会で、経営戦略、人材の育成、株主・投資家とのエンゲージメント結果など、経営に関わる重要な課題について、討議のテーマを設定しました。
- 経営指標のモニタリングについて
経営計画の進捗を監督し、必要に応じた合理的な見直しの要否を判断できる体制を整えるため、経営指標を投資家視点で定期的にモニタリングする方法や重点的に投資すべきターゲット(国・地域、業種など)について活発に議論されました。
また、業種ごとの収益構造に相違があることから、業種それぞれのb/sの考え方についても意見が交わされました。
- 非財務目標(人、技術)について
当社の持続的な企業価値の向上において、非財務資本への投資の重要性を認識し、人と技術への投資が焦点となった議論がなされました。特に、当社の複合ソリューション事業においては、「人的資本」が重要であり、その強化にあたっては、経営戦略と人事政策、人材育成の結びつきの深化の必要性や、より戦略的で柔軟な人材配置のあり方に関して活発に議論されました。
また、当社独自の技術資本の定義、その重要性についても、事業競争力における技術資本の位置づけ、強化の施策が議論されました。各現場での地道な改善活動や業務効率化、安全への取り組みなども差別化の図れる技術資本とされ、これらは、当社の競争力や価値創造の生命線であるとの意見も共有されました。
- 各事業本部長との事業戦略に関する討議について
2022年10月および12月、事業ポートフォリオの中で注力事業となる空港本部、メディカル本部の各本部長と取締役で「2030年ビジョン」の具体的目標と方針、さらに「中期経営計画(2023年3月期から2025年3月期)の進捗状況、残課題の解決策」に関わるテーマについて議論しました。それぞれの本部の「強み」や「機会」を客観的に捉え直し、次期中期経営計画にいかに結びつけるかなど活発に討議されました。
- 株主、投資家との対話結果に関する討議について
ir活動のpdcaサイクルの一環として、irの観点での経営課題をテーマに継続的に討議されました。特に、物流業種では先行的取り組みとの評価をいただいているroic(投下資本利益率)経営の深掘り・進化について討議がなされました。また人的資本経営やダイバーシティなど、非財務資本の強化について、投資家とのエンゲージメントの中で見出された重要な検討ポイントを共有し、今後の取り組みで具体化し、投資家へ丁寧に説明することで、理解が深まるとの見解が得られました。
- 投資のモニタリング結果に関する討議について
過去に経営会議または取締役会に上程された投資案件の業績に関し、進捗を把握するとともに、今後の重点的な取り組みの方向性につき活発に討議されました。例えば、当初の事業計画から大幅な乖離がある案件についてより深い議論の必要性、個別案件の良し悪しだけでなく戦略の文脈から捉えなおす必要性、投資案件の特性に応じた資本コストや投資基準設定の必要性、事業計画作成段階において検討すべき事項など、多くの指摘および議論が交わされました。幅広い観点から投資pdcaサイクルの改善点を見出す機会になったと認識しています。
後継者育成
konoikeグループでは人材育成を持続的成長の柱と 位置づけています。社長および取締役(執行役員兼務)と各本部長(執行役員級)は、月1回の本部長定例会議で業務執行についての情報共有を行っています。各本部長は、取締役との議論・対話を通じて、経営者の視点の涵養に努めています。また、人材基盤のさらなる強化に向けた取り組みの一環として、必要に応じて議論の場を設定し、konoikeグループの戦略や理念などについて 意見を交わし、新規事業へのチャレンジや既存事業の拡 大意欲を喚起しています。その他、本社部室長・支店長などの次世代経営者層は、日常業務の中で、相互の信頼関係を構築しています。次世代経営者層以上を対象とした社内セミナーにより、企業理念や行動指針の共有を図り、経営上必要な経験やノウハウを、世代間で途切れることなく継承しています。。
政策保有株式
1.基本方針
当社は、さまざまな分野において、パートナーシップを重視した事業活動を展開していることから、事業上重要なお客さまとの間の取引関係の維持・強化等により、中長期的な企業価値向上を図るため、政策的に株式を保有することがあります。
なお、個別の政策保有株式については、毎年、取締役会において、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等、定期的に保有の適否を検証しています。検証の結果、保有の合理性が認められなくなったと判断される株式については売却を行い、縮減を図っています。
2.議決権行使基準
当社は、政策保有株式に係る議決権行使については、画一的に賛否を判断せず、発行会社の持続的な成長や中長期的な企業価値の向上につながるかどうかなどの観点から、議案ごとに検討し判断しています。なお、当社は、株主価値を毀損するような議案については、肯定的な議決権の行使を行いません。
リスクマネジメント
リスクマネジメントに対する基本方針
konoikeグループでは、企業経営に重要な影響を及ぼすリスクを低減させるとともに、非常事態が万が一発生した場合に、迅速かつ的確な対応ができる危機管理体制の確立を目的として「リスクマネジメント規程」および「危機管理基準」をkonoikeグループの基本方針として制定しています。
リスク管理体制
konoikeグループでは、前述の「リスクマネジメント規程」を基に、企業価値を毀損させる可能性のある懸念事項をリスクとして捉え、次のように定義しています。
- 戦略的意思決定によりkonoikeグループの成長およびサステナビリティを巡る課題の解決を図り、将来に向け企業価値を向上させるにあたり、これを阻害するリスク
- 法令遵守や経営課題への取り組み不足他、既存の事業活動や業務運営の健全な展開を阻害し、現在の企業価値を毀損させるリスク
これらのリスクに対しては、“予防と抑制”に重点を置いた管理を行い、事故やトラブルを未然に防ぐとともに社会責任を果たし、現在の企業価値の維持ならびに将来の企業価値向上に努めています。
運用については、リスクマネジメント担当を部会長とするリスクマネジメント部会を四半期ごとに開催しており、リスクマップに基づき選定される優先対策リスクを中心にリスク対策の確認や取り組み状況のモニタリングを実施するなど、リスク低減に向けた活動を行っています。また、各支店・各関係会社はリスクマネジメント小部会を通じて連携しており、konoikeグループ全体の活動としてリスク発生の回避に取り組んでいます。
危機管理体制
社内外の事象に起因し、突発的もしくは管理不十分により生じたkonoikeグループの存続および事業継続を脅かす事態をクライシス(危機)と捉え、それらが顕在化した場合の緊急対応、復旧活動、さらには有事下での事業継続活動を包括してクライシスマネジメント(危機管理)と定義しています。前述の「危機管理基準」を定めるほか、自然災害に備えて各種マニュアルを常備するなど、発生した事象に対して適切かつ迅速に対応できる体制を構築しています。
巨大地震やパンデミック等、大規模自然災害により事業継続が困難になるなど、リスクが顕在化した際には、代表取締役会長兼社長執行役員をトップとして、危機管理委員会を招集し、非常事態と判断した場合は、対策本部を設置して危機の対処に当たります。体制の構築だけでなく、対策本部設置訓練や安否確認訓練などにより対応力強化にも努め、被害を最小限に抑えられるように取り組んでいます。またkonoikeグループでは、これまでも地震や台風等の自然災害発生時に、物流、医療、空港業務などを通じて社会インフラの緊急支援対応に取り組み、緊急時対応の経験を重ねてきました。これらの知見をもとに、災害時における被災地の支援にも積極的に貢献していきたいと考えています。
konoikeグループにおけるリスクアセスメント
konoikeグループでは、リスクアセスメントをリスク管理のプロセスの第一歩と捉え、分析・評価を中心としたリスクの現状把握を行っています。
この取り組みは、対策の検討や優先順位づけ等の意思決定を行うための基礎的なデータの収集を目的として実施し、リスク管理において重要なプロセスに位置づけられます。リスクアセスメントは、サステナビリティ委員会の傘下のリスクマネジメント部会が中心となり実施します。リスクアセスメントにおいて特定された優先対策リスクについては、主管部門を任命し、主管部門が中心となり、具体的な対策の実行・改善を行います。
リスクマネジメント部会は、主管部門における取り組み状況をモニタリングする役割を担います。